一辺倒の意味とは? 正しく使えていますか?

一辺倒の意味とは? 正しく使えていますか?

「一辺倒」読み方はご存知ですか?
「いっぺんとう」と読みます。

一辺倒という言葉、友達や家族とのなにげない会話ではあまり使わないですよね。
私の勝手なイメージですと、少し堅苦しい話をしている時、理屈っぽい話をしている時に出てくるような気がするのですが、実際はどうなのでしょうか?

今回は、一辺倒の意味や語源について調べてみました。
また間違いやすい言葉についても触れていきます。

正しく使って、ちょっとインテリぶってみませんか?
では一緒に学んで参りましょう!

一辺倒の意味は?

「あるひとつの事柄、ある特定の方向だけに心を傾け、他を顧みないこと」
という意味です。漢字の示す通りですね。

ひとつの事や物だけに興味を持ち、それ以外のことに脇目もふらない。
周りのことが目に入らないほど集中していて、話しかけるのもはばかれる。

なんだかとてもストイックな人をイメージしてしまいますが、ストイックなイメージは語源にも関係してくるのでしょうか?

一辺倒の語源は酔っ払い?

一辺倒の語源は、中国の宋の時代に書かれた朱子学の入門書「近思録」にあります。

この入門書の中で、程顥 (ていこう)という学者が

賢と説話するは,かえって酔漢をたすくるに似たり。
一辺を救い得れば,一辺に倒ふす。
ただ人の一辺に執善するを怕 (おそ) る

という言葉を記しています。

「賢い人と話をすることは、酔っ払いを介抱するようなもの。
一方から抱えあげると、そのままそちらの方向へ倒れてしまう」
つまり

「知識のある者は、ひとつの考え方を見つけると他のどんな考え方をも拒否し、受け入れなくなってしまうという」

という意味で一辺倒という言葉が用いられました。

「賢い人は頭が固くてやっかいだ」ってところでしょうか?
あまりいい意味で使われ始めた言葉ではないのですね。
語源はストイックとは関係ないどころか真逆でした!
しかもまさかの酔っ払いが関係していたとは。

その後、毛沢東が論文で「一辺倒」という言葉を使ったことから、日本でも多用されるようになりました。

間違えやすい「通り一編」と「一辺倒」

「一辺倒」と似た言葉で「とおりいっぺん」という言葉がありますが、似てはいますが意味は全然違います。

この言葉を漢字で書くと「通り一編」

「通り一編」の「通り」は「通行・通過」を意味する「通」。
「いっぺん」は、今でも使う人もいますが「1回」という意味です。
この2つの言葉を足して「1回のみ通る」となります。

「ただ1回だけ、通りがかりに寄っただけ」というところから、
「形式・表面は整っているが、誠意のこもっていないこと」
という意味になります。

「一辺倒」と「通り一編」似た言葉でも意味はまったく違いますね。

ちなみに「通り一辺」と書いている方が意外と多いようですが、これは間違いです。

「通り一辺倒」という言葉はナイ

さらに間違った言葉として、アナウンサーですら間違って使ってしまうことのある「通り一辺倒」という言葉。
この言葉が載っている辞書はありません。
「一辺倒」と「通り一編」が混ざってしまった間違った言葉なのです。

正しい言葉を、正しい意味で使いましょうね!

さいごに

あまりにもひとつのことだけに思想が偏ってしまうと、自分が間違えた考えをしていることに気づかず、間違いを指摘されても見向きもせず突き進み、修正する機会を逃してしまいそうです。

また、「一辺倒」であるがゆえに、他にも楽しいことがいっぱいあることに気づかずに人生を終えてしまうのも勿体無い。

たくさんのものに目を向け、バランスをとって生きて行きたいものですね!