一目置くの意味、元々は囲碁用語?

一目置くの意味、元々は囲碁用語?

皆さんには、一目置く存在、どなたかいらっしゃるでしょうか。

親友や両親などのこんなところに一目置いている、とか。
身近な人ではなくても、テレビで活躍するタレント、歌手、アイドル…。

この人のここがすごいな、と思ってテレビを見ることは、決して少なくないように思います。
あるいは、自分のこの部分には一目置かれていると自負している、とか。

そんな「一目置く」。意味や語源をまとめてみました。

一目置くの意味

「一目置く」の意味は、
「自分より相手が優れている事を認めて敬意を払ったり、一歩譲って遠慮すること」。
相手の方が優れていると、ついつい認めたくなくて嫉妬したりしがちですが、そうではなく、認めて敬意を払う、素直に尊敬する、という意味ですね。

よほど相手が優れていないとこういった感情は湧いてこない気がします。
それだけずば抜けてすごい、ということですね。
最上級の褒め言葉、と言っても遜色ないかもしれません。

ちなみに、「一目置く」では表現として物足りないほど相手に敬意を払う場合は、「一目も二目も置く」という表現もあります。

一目置くの語源

ではこの「一目置く」ですが、一体どんな語源があるのでしょうか。

実はこの言葉、囲碁で使われる言葉です。
「一目」とは、囲碁の基盤上の一つの目、あるいは碁石を一つ置くことを指します。

囲碁では、格上が白い碁石を、格下が黒い碁石を使って対局しますが、黒の碁石を使う人がハンディとして先に碁石を一目置いてから対局がスタートします。

「私はあなたより弱いので、先に石を置かせてもらわないと勝てる見込みがありません」
ということですね。

このことから、「相手の実力を認めて敬意を払う」という意味になった、とされています。

囲碁由来の言葉

他にも囲碁が由来の言葉がありますので、簡単に紹介しておきます。

駄目

日常でよく使う「駄目」。これも実は囲碁由来の言葉です。
囲碁は自陣の広さを競うので、「石を打っても陣地が増えない場所」に打っても効果がありません。このような場所を「駄目」と言い、ここから現在の「効果がない、役に立たない」という意味になりました。

布石

「布石」とは、「将来に備えて準備すること」ですが、これは囲碁において「本格的に陣地争いが始まる前に勢力圏を築いておくために石を配置する」という戦略からきている言葉です。「布石を打っておく」などと言いますね。

定石

「物事に帯する決まった対処方」を意味する「定石」。
これも「長年の研究で最善の形として確立された、対局面での決まった打ち方」を指す囲碁用語からきています。

岡目八目

「外から見た方が当事者より状況がよくわかること」を意味する「岡目八目」。
これは、「外から他人の碁を見ると形勢がよくわかる」ことからきています。

八百長

目や石のつかない「八百長」も、実は囲碁からきた言葉。
「八百屋の長兵衛が囲碁の対局で勝敗を調整した」ことから、「事前に勝ち負けを示し合わせておき、上辺だけ真剣に勝負しているように見せる」という意味になっています。

一目置くを英語で言うと

「一目置く」を英語で表現するとどうなるでしょうか。

「admit one’s inferiority to 〜」と表現するのが一番ニュアンスの近いもののようですが、意味から考えると一語で「respect」と表現することもできますね。

おわりに

いかがでしたでしょうか。歳を重ねるごとに、社会的な立場の関係でしょうか、素直に誰かを(その人の持つ一つの特徴や長所だったとしても)尊敬する、ということが難しくなっていくように感じます。

しかし、相手に対して尊敬の念を持つ、相手をリスペクトすることは大切なこと。
「一目置く」。この心を忘れずに、日々を過ごしていきたいですね。