阿漕ってどういう意味?実は意外な由来があった!

阿漕、という言葉。皆さんにとってどんな言葉でしょうか。
「阿漕な商売」、あるいは「阿漕な稼ぎ方」、なんて耳にはするし、悪いイメージの言葉なのはわかるけれど、説明しろと言われると言葉に詰まる。私にとってはそんな言葉です。
そこで、阿漕ってそもそもどういう意味?語源って何なの?をまとめてみました。

阿漕の意味

「阿漕」を辞書で調べると、
度重なること。しつこく図々しいこと。悪どく義理人情に欠けていて、無慈悲に金品を貪ること、そのさまのこと。

つまり「阿漕な商売」という使い方をすると、利益のためなら何でもする、消費者に決して優しくない商売、ということになるでしょうか。そんな商売はしたくないし、されたくないですね。

しかし気になるのは、辞書で調べると同時に記されている、「三重県津市の地名」というもの。もしかしてその地名に言葉の由来が?ということで、阿漕の語源を調べました。

阿漕の語源

ざっくり言うと、語源は三重県津市にある阿漕にまつわる伝説によるのだそう。禁漁域であった阿漕ヶ浦で、漁夫「阿漕平次」が度重なる密漁の末捕らえられたというもの。
平安時代の「古今和歌六帖」の、「逢ふ事を阿漕の島にひく網のたび重ならば人も知りなむ」という歌も有名なようです。

このことから、室町時代の「源平衰退記」では、「度重なる事」の比喩として「阿漕」が使われ、近世以降になると、「しつこいさま」、と変化。さらに民間に広まっていくにつれて、現在使われている意味になっていったとされています。

何だか時代とともに印象が悪くなっているような。
語源はわかったけれど、その伝説をもう少し詳しく見てみます。

語源となった伝説

伝説で語られる阿漕平次は、病で寝込む母のため、その病によく効くといわれるヤガラという魚を獲ろうと、伊勢神宮の御厨であると知りながら、禁漁域で密漁します。実際にその魚で母の病状が回復したので、その後も密漁を繰り返しました。しかしある日、浜辺に笠を置き忘れ、それが役人に見つかってしまったことから、阿漕平次は捕らえられ、処刑されたということです。

能楽や浄瑠璃にもなっているという伝説らしいのですが、何だか良い話なような…?
実際、地元の人には「阿漕平次は親孝行の息子」として、尊敬の対象だそうですよ。

おわりに

調べるまではいまひとつ意味のわからなかった阿漕。
掘り下げてみると、現在使われている言葉の意味からは想像できないような親孝行の伝説が背景にありました。

個人的には、これから阿漕という言葉を聞いたら、今回わかった伝説を披露したくなりそうです。「実は阿漕ってね!」なんて。