日本最後の見世物小屋でカッパや人魚や生首を見てきた@花園神社酉の市

見世物小屋入口

花園神社「酉の市」で興行を行っている日本最後の見世物小屋を見てきました。

見世物小屋といえば怪しい、いかがわしい、でも怖いもの見たさで覗いてみたくなる、刺激的、扇情的な興行でかつては大人気の大衆エンターテイメントの一つでしたが、その火はもうすでに絶えていたと思っていました。

ところが、実は日本で最後の見世物小屋「大寅興行社」が一社だけ残っていて未だに全国巡業をしているのです。

東京では靖国神社の「みたま祭り」や花園神社の「酉の市」で興行を行っているとのこと。

いかがわしくて、刺激的で、チープだけど笑ってしまうエンターテイメントなショーでしたよ。

花園神社「酉の市」の見世物小屋

花園神社

毎年11月の酉の日に行われる花園神社の「酉の市」。
花園神社のホームページによると60万人!もの人出があるそうですが、たしかに歩くこともままならない人出でごったがえしています。

新宿、歌舞伎町のすぐ隣という土地柄もあり、キャバ嬢、ホスト、カタギでない人、普段どこにいるんだ?という方々が大勢集まっているのも壮観です。
芸能関係のご利益が高いことで有名な神社でもあり、吉本興行の東京本社も隣にあるので芸人さんも大勢参拝に来ているんじゃないでしょーか。

そんな酉の市でごった返す花園神社に明治通り側から境内に入って大鳥居をくぐる手前すぐ左手。屋台と屋台に挟まれて奥まったところに件の見世物小屋があります。

見世物小屋入口

真っ赤な外壁にケバケバしい提灯。レトロな雰囲気の手書き看板にカッパの絵。脇の外壁には「カッパ御殿」の文字。全面的にカッパ推しですね。全国の寺社仏閣にあるカッパのミイラ(と言われているもの)のちょっとおどろおどろしい絵図なんかも掛かっています。

見世物小屋外観カッパ御殿

入口上に掲げられた演目には
・楽しいカッパ天国
・年頃の女たちによる唄と踊りと手品
・びっくり魔術奇術ショー
・うたう!生首
・目出度い曲芸伝統芸
・貴方は人魚姫を見たことがあるか?
・テレビじゃみれない演芸の数々をご覧になれます!
・日本のムード
と書かれていて、ちょっと今のセンスではないレトロムードがむんむんしています。

カッパ御殿看板

入口の番頭台からはサイレンと太鼓がウーウーバンバン鳴っていて、がなり声のおばちゃんが客寄せの口上を大音量でまくしたてています。
「お代は見てから!お代は見てのお帰りだよ!」
「いつでも入れるよ!見たところから見たところまで!」
「20分で見れるからね!さあ寄ってって!」
「ぼっちゃんじょうちゃんも見てって!怖くないよ!」
「つっ立ってないで、さあ入った入った!はいご案内~!」

入場料は大人800円、小人500円、幼児300円。幼児料金も設定されているので幼児が見てもOKな内容ってことですね。

料金は後払いということで、黒いカーテンをくぐってついに入場します。

見世物小屋入口看板

カッパと生首と人魚の末裔がいた!

場内は立ち見でゆるやかな坂になっていて後ろの人も見やすくなっています。
入口からどんどん人が入ってきてショーを見ながら押し出されていって出口で料金を支払って退場する仕組みになっています。
場内は撮影録音禁止。スマホを取り出すと演者から注意されてしまいます。

カッパ三姉妹の唄と踊りと奇術ショー

僕が見た最初の演目はかわいいカッパ三姉妹の唄と踊りと奇術ショーでした。

ステージの後ろ2階部分にキーボード、ドラム、ギターがいて、ステージではカッパの三姉妹が生演奏で昭和レトロな唄を歌いながらプリプリ踊って脱出ショーをしていました。

つけまつげ盛り盛りのカッパ三姉妹がプリプリ歌い踊るのはそれなりに可愛かったです。

どっかで観たことあるんだけどなー。と思ってたんですけど、彼女達「デリシャスウィートス」ってバンドでした。
家帰ってから「あー!思い出した!」と思ってデリシャのサイトを見てみたら思いっきり見世物小屋公演の告知をしていました。
そして今写真を見返してみたら入口の看板にも「デリシャスィートス」って書いてありました。気付かなかったなあ。

見世物小屋入口看板
気になっていたバンドだったので思いがけず見れてラッキーでした。

見世物小屋もこんなコラボ公演とかやってるんですねー。

うたう!生首

カッパ三姉妹に続いての演目は「うたう!生首」です。

はじめに生首の哀れな半生が語られます。
「豪華客船に乗っていた少女が船旅の途中に海難事故に遭遇。可哀そうに生首になってしまいました。ところが生首になった少女は運よく竜宮城に拾われて必死の介抱を受けて一命を取り留めます。そうして首だけになった少女は歌いながら全国を巡業してはぐれてしまったお父さんお母さんを探しているのです。」
※記憶を基に書き起こしているので正確じゃないかも。だいたいこんな感じでした。

哀れな半生が語られてからいよいよ生首登場!ステージ奥のカーテンが開かれると、机の上に少女の生首がいます!
まあ仕掛けトリックはバレバレな生首なんですが、そこをツッコむのは野暮ってもんです。

司会がマイクを机におくと弱弱しい声で「おと~さ~ん、おか~さ~ん」なんて言ったりします。
そして童謡っぽい唄を一曲歌って生首芸はおしまいでした。

人魚の末裔が見せる伝統芸

3つ目の演目に登場するのは人魚の末裔、お豆ちゃんです。
赤白の襦袢姿のお豆ちゃんは小屋デビュー1年目の新人とのこと。でも還暦超え。でも細身でなかなかの美人さんです。

人魚の末裔なんですが人魚の名残は3%しか残ってないとのこと。
胸から名残のウロコを1枚引き抜いて観客にプレゼントしていました。
※ちなみにどうしてもウロコが欲しい人はアマゾンに売ってるらしいです笑

実はこの彼女こそが見世物小屋の演芸伝統芸を受け継いでいる本物の太夫(だゆう)さんでした。

最初の演目は「悪食(あくじき)」ビールの小瓶を割って欠片をバリボリ食べてしまうガラス食いの芸です。
バリボリ音を立ててガラス片を食べる瞬間、客席からは悲鳴が上がっていました。

2つ目の演目は「火吹き」50本のロウソクに火をつけて溶けたロウを口に流し入れて含み、最後はそのロウを火に吹きかけて大きな火炎を吐きます。
これは本当にすごかったです。客席からも悲鳴やらどよめきが大きく沸き上がっていました。

火を拭いた後はお口直しとして火をつけたティッシュペーパーを3枚食べていました。
1,2枚目は口直し。3枚目は口臭予防だそうです。

いやはや、こうして本物の見世物小屋の芸を受け継いでいく太夫さんが世代交代しながら活躍している姿を見れて感動しました。すごかった。

最後の見世物小屋。今見とかないでいつ見るの?

かつては数百の団体がひしめきあっていたとも言われている見世物小屋興行。

今や「大寅興行社」一社だけが残って全国巡業をしているとのこと。
今回のデリシャスィートスのようにコラボ演目をやったり、新人の太夫さんが伝統芸を受け継いだり、観客もパンパンに入っていて、最後の一社だけどなんとかまだまだ続いていきそうです。

とはいえ、いつ消えてもおかしくないギリギリの状況。
こんな面白いエンターテイメント、今見ておかないでいつ見るんでしょうか。

いつまでも見世物小屋続けてほしいんで、僕はまた見に行きますよ。

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